読者の皆様は、好んで食する果実は、あるでしょうか?日本では、毎年冬にかけてみかんを食べる機会が増えてきます。
もっとみかんのお話をしますと日本国内でそれぞれの生産地があり、みかんの味がそれぞれ違っているということをよくいわれます。産地によって、味が違うことは、興味をそそることであり、皆さんにも興味を待ってもらいたいと思っています。
また、みかんも栄養豊富であり、読者の皆さんにも更に健康になってもらいたいと願っています。
(温 州 み か ん に つ い て)
農林水産省の平成26年の資料によりますと、温州みかんの年間生産量は、874,600tで、その代表的な産地3地域では、和歌山県:137,300t、愛媛県:128,500t、静岡県:124,900tとなっています。
特にみかんを好んで食される人にとって、どの地域で取れるみかんが美味しいのかということ自体が共通の関心事だと思います。最初に日本生産量上位の和歌山県:有田みかんと愛媛県:愛媛みかんについて検証していきます。
「温州みかん」の名前の由来については、中国の浙江省の有名な柑橘類の産地の温州市の地名にあやかって、名付けられました。発祥地としての実際の原木は、鹿児島県の長島地区にあったのを日本各地に伝承されました。
(有 田 み か ん の 特 徴)
和歌山県産:有田みかん 450年の栽培の歴史があり、紀州の国(有田市)の住民:伊藤孫右衛門が肥後の国(熊本県)八代から苗木を持ち帰り、栽培を始めた。豪商の紀伊國屋文左衛門が嵐の中でも船で江戸へみかんを運んだという話があります。
糖度の高い条件
<1>有田みかんが栽培される地域は,年間降水量:1,700mmとなっており、山々に囲まれて雨雲が山に遮られるために、雨が少ない特色です。
<2>みかんの栽培に適した環境:山の斜面を石垣の階段状に積んで、栽培。メリット:太陽熱の保温、水捌けが良い、日光を反射させる。
<3>有田みかんを栽培する農家では、収穫、選別、箱詰めを生産者自身が美味しいみかんを顧客満足のために厳選する。
有田みかんの収穫時期、呼び名
10月:極早生(ごくわせ):みかんの皮の色合いが緑色のままで収穫、出荷される品種。
11月:早生(わせ)みかん:みかんの出荷で年間で最も忙しい時期の品種。
12月:中生(なかて)、晩生(おくて)みかん:普通のみかんとして知られる品種。
糖度、価格帯
有田みかんの中でも甘味の強い時期の平均糖度は、「11.5~12度」。
おおよそ「10kg当たり5,000円~高級品10,000円」と商品によって値段の幅が広いのが特徴。
<4>有田みかんオリジナル品種:三宝柑 みかんの特徴として、見た目はデコポン似ですが、味は文旦やグレープフルーツに似ています。みかんが出回る時期(旬)は、毎年3、4月の2ヶ月間。
(愛 媛 み か ん の 特 徴)
愛媛みかんは、全国有数ののみかんの産地の愛媛県宇和島市の吉田町が、発祥地となります。1789年、加賀山平治郎という人が土佐の国(高知県)からみかんの苗木を持ち帰り、栽培を始めたと言い伝えられ、その期間が200年にも及びます。
<1>愛媛みかんの味の特徴として、甘味と程よい酸味のバランスが良く、果汁たっぷりでジューシーです。かつ簡単に皮がむけて、袋のままパクリと食べられる手軽さも人気の項目です。また、夏場でも温室のハウスみかんが作られるので、ほぼ1年中楽しめます。
<2>愛媛みかんを栽培する農家では、栽培作業自体、平坦地での仕事と違い、数々の悪条件があり、外国(ヨーロッパ他)や日本の先進地への視察研修して、学び、機械を導入するなどして、改善しています。
また、商品の品質保持or長期間商品をストックできるように、日本の他の先進地に学び、貯蔵技術を導入し、顧客の信頼に応えるように努力する姿勢が伺えます。
<3>愛媛みかんオリジナル品種:紅マドンナ 特徴として、甘くてやわらかく、ゼリーのようなプルプルな食感が楽しめ、外皮が薄く果肉にぴったりフィットしています。
(有 田 み か ん と 愛 媛 み か ん の 違 い)
有田みかんと愛媛みかんは、共に誰もが認知されたみかん生産地で、ブランド名で呼ばれています。
この2つのみかんの違いを栽培環境、糖度、旬の時期のそれぞれの違いは、何か?比較しますと、
栽 培 環 境
有田みかん(和歌山県有田市):年間平均気温16.5度の温暖な場所で、みかんの甘さが決まる夏(7~8月)には雨が少なく、山々に囲まれた石垣造りの段々畑で急な傾斜地になっているため水捌けが良く、土壌自体には鉄分等を含んだ土で、石垣には太陽の光を保温や反射させる働きがあります。
愛媛みかん(愛媛県):年間平均気温15度以上の温暖な環境で、瀬戸内海の海沿いに面した石垣造りの段々畑の急な傾斜地のために有田みかんと同様に水捌けが良く、土壌環境は、海沿いなので、ミネラルを含んだ土となります。海沿いの段々畑は、3通り太陽の光(太陽の光、海からの反射光、石垣からの反射光)の反射光を浴びて、甘くて美味しいみかんができます。
糖 度
有田みかんの糖度:平均12~15度
愛媛みかんの糖度:平均11~13度
有田みかんの糖度:15度のみかんは、どちらの農家で取れるみかんでしょうか?楽しみですね。
旬 の 時 期
有田みかんの旬の時期:11月~1月 特に11月の時期の有田みかんは、皮が薄くて、甘さが増して美味しいものです。
愛媛みかんの旬の時期:10月~3月 12月~3月までが特に美味しい時期です。愛媛みかんの甘さは、果肉に旨味が詰まっています。
有田みかんと愛媛みかんの旬の時期、特に美味しい期間共に愛媛みかんの方が長いということがわかりました。
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(糖 度 の 目 安)
みかんを選ぶ際に参考となる情報として、糖度の甘さのレベルで、食べたいみかんを選びます。
・10度未満**酸っぱい、味が薄い
・10度以上**普通のみかん
・11度以上**そこそこ美味しいみかん
・12度以上**甘くて美味しい高級みかん
・13度以上**とても甘くて濃厚なプレミアムなみかん
(ま と め):色々と説明させていただきましたが、みかんの購入を思案中の方のために、役に立つ情報だったでしょうか?参考になれば幸いです。