「クララ、貴方は、一生歩けなくなっても良いの！クララの意気地なし！」と。
アルプスの少女ハイジのアニメ放送の一節です。
ヒロインのハイジが、叔母のデーテの紹介で知り合ったフランクフルトの裕福な家庭のお嬢さんのクララ。
彼女は、ハイジの住むスイス：アルムの山にある家で、歩けるように訓練を始めるのですが、なかなかうまく進まないので、諦めかけたその時、ハイジが注意を促したシーンです。
仲の良い友達を思いやる気持ち。読者の皆様は、親しい人同志で同じような会話をしたことありませんか？
2023年展覧会では、テレビ放送で出てきた名場面を紹介していました。読者の皆様にもドラマに出てくる登場人物の人柄を思い出してもらって,共に楽しく語り合いませんか？
また、2024も日本国内の別の地域で展覧会が開催されるかもしれませんので、ファンの人には、大いな楽しみになるのではないでしょうか？
アルプスの少女ハイジ：原作者は誰？
原作者：ヨハンナ・スピリのプロフィールをwikipediaで引用させて頂きました。
（生い立ち）
・ヨハンナ・スピリ：johana・spyri(1827,6,12～1901,7,7)
・父親医師：ヨハン・ヤコブ・ホイッサーと母親：マルガレータ・ホイッサー・シュバイツァーの間に生まれた7人の子供の4番目の娘。
・幼少期には、ビューデン州のクールという場所で毎年、夏を過ごした体験が後々出版する小説の材料になった。
・14歳には、語学力と音楽の勉強のために、チューリヒで過ごした。
・17歳では、フランス語習得のためスイス国内のフランス語の女子寄宿学校に留学した。
（結婚生活）
・1852年、ヨハンナが25歳の時に兄の友人の弁護士：ベルンハルト・シュピリとの結婚生活がはじまる。居住地がヒルチェンからチューリヒに移る。
・ヨハンナが28歳になって、男の子を出産する。彼女は、妊娠中よりうつ病になる。夫の仕事が忙しくて、充実していたとは言い難い夫婦生活だった。
・同時期に母親の友人：マイヤー夫人と親交を深めて、辛さを乗り越える心の支えとしていた。
・1956年、マイヤー夫人の自殺を知り、ショックを受けるが、その夫人の子供でコンラート、ベッツィーの兄妹との友情に拠り所を得る。
・ヨハンナ自身は、一人息子の教育には大変熱心で、ライプッチ大学まで進学させるが、元々身体の弱い体質で、在学中に結核を発症する。
・息子の病気回復のために欧州各地を転地療養させていたが、その療養地の中には、『アルプスの少女ハイジ』の作中に出てくるマイエンフェルト郊外のラガッツ温泉があり、この体験を物語の材料に使ったと思われます。
（作家デビュー）
・1987年、44歳になって、『Ein Blatt auf Vrony`’s Grab』をデビュー作として匿名出版する。
・1880年、『Heidis Lehr-urd Wanderjahre(ハイジのの修業時代と遍歴時代)』の作品を匿名出版する。
・続編で『Heidi Kann brauchen ,was es gelernt hat (ハイジは、習うことを使うことができる)』を実名出版する。
（晩年）
・1984年、29歳の若さの一人息子のベンハルトが、結核で死去。同年、夫も相次いで亡くなりました。
・ヨハンナ自身一人になって、慈善活動と執筆活動を並行して行い、亡くなるまでに50作以上の作品を出版した。
・1901年7月7日、ヨハンナは、74歳の生涯を閉じました。彼女の肖像は、スイスの象徴となりました。
・1951年、ヨハンナの郵便切手が、発行されました。
・2001年、ヨハンナの20CHF硬貨が、発行されました。
・2023年、ヨハンナの『アルプスの少女ハイジ』を含む作品を世界の記憶に登録されました。なお、世界の記憶とは、ユネスコ協会の主催する事業の一つです。
アルプスの少女ハイジ：アニメドラマの放送時期
・原作は、スイスの児童文学作家：ヨハンナ・スピリ。
・放送期間：1974,1,6～12,29 フジテレビ系列の放送局で毎週日曜日pm19:30～20:00 全52話。
・プロヂューサー：高橋茂人が、少年期に愛読した小説をスイスやドイツの日常生活を丹念にアニメーションで表現した。
・この作品の放送終了後、何回か地上波やCS衛生放送で再放送されたことがあった。
・この作品の制作するに当たり、プロデューサー：高橋は、スタッフを海外現地調査を行わせた。調査には高畑勲、宮崎駿、小田部羊一ら主要なスタッフが参加していた。
アルプスの少女ハイジ：ドラマ歌詞の魅力
（歌 詞）
（1）口笛は 何故 遠くまで 聞こえるの？
あの雲は 何故 私を待ってるの？
教えて お爺さん
教えて お爺さん
教えて アルムのモミの木よ！
（2）雪の山 何故 バラ色に 染まるの？
あの風は 何故 隠れているの？
教えて お爺さん
教えて お爺さん
教えて アルムのモミの木よ！
（3）眠る時 何故 雲はそっと見ているの？
藁の中 何故 いつも 暖かいの？
教えて お爺さん
教えて お爺さん
教えて アルムのモミの木よ！
上記文章は、アルプスの少女ハイジ主題歌の歌詞です。
Wikipediaには、口笛が遠くまで聞こえるのは、この周波数域までに人間の耳で口笛の音を聞き取りやすいからだそうです。
（ヨーデルとアルプホルン）
スイスの文化として、ヨーデルとアルプホルンが、あります。スイスは、国土の大半が山岳地帯であり、イギリスやフランスと違って、居住地環境も不便な地域が多いそうです。
ヨ ー デ ル
ヨーデルは、表声と裏声を切り替える呼吸法で歌う民族音楽です。
スイスでは、子供たちが夏に山で過ごす期間、家業の手伝いとしての牧童の仕事をこなしている最中の叫び声が、山小屋と麓の町との連絡手段として使われていたそうです。
ヨーデルの特色として歌い手は、ポケットに手を入れて、純粋に声を出すことに集中することが主な作法だそうです。
また、スイスでは、3年に一度、ヨーデルのコンクールを開催するそうです。ヨーデルの歌い方を競う大会なので、歌声の素晴らしさを実際に聴きに行けば、実感できるのではないかと思います。
ア ル プ ホ ル ン
この楽器の特徴として、木製の角笛のような形で、ヨーデルと同じ手段で山の牧草地から麓の町にメッセージを伝える道具として使われていました。
また、牧草地での仕事として、牧童の子供たちは、乳牛たちを一か所に招集するために、アルプホルンを使います。
この楽器の音は、メリットとして、乳牛の神経を安定させるので、結果として牛乳やチーズ造りに役立つ楽器として重宝されています。
ヨーデルに並びこの楽器もスイスを代表する民族音楽として保護されており、その素晴らしさをイベントなどで確かめる価値は、大いにあるのではないかと思います。
（日 本 の ヨ ー デ ル 歌 手）
北 山 桜
スイス、ドイツ、オーストリアの民族音楽を歌えるプロ歌手。スイスで開催されるヨーデルフェストにも参加して、1級（最高級クラス）を獲得する。
伊 藤 啓 子
スイス アンサンブル エンツイアンなどのユニットを主宰して、まだ日本で紹介されていない民族音楽を探しながら、演奏活動をしている。ヨーデルフェストでも4大会連続出場していて、最高ランクの評価を受けている。
プロデューサー:高橋茂人、作品のアピール・ポイント
過去40年以上前にテレビ放送が終了後も、アルプスの少女ハイジの人気が、未だに続いているのは、何故でしょうか？
「ハイジの生まれた日」という著書がありまして、著者:ちばかおりさんは、世界名作アニメ等の作品を調べておられます。（出版社：岩波書店、刊行日：2017,01,26)
アルプスの少女ハイジの制作プロデューサー:高橋茂人さんのお仕事に関しても、触れており、ご自身が日本以外の土地で少年期を過ごされ、色んな人と交友を深めて寂しさ、悲しさ、楽しさなどののお気持ちを私たち視聴者に伝えたかったのではないかと感じます。
・児童文学:子供が心の広い大人に成長するための本。
・スイス国内のロケーション調査:町並み、自然の景色、民族衣裳他。
・プロデューサー高橋茂人さんご自身の幼年期の体験談もあるのではないかと思います。
主人公ハイジの人柄:利発で何事にも積極的に取り組む姿勢と、喜び悲しみを共有できるのは、高橋さんご自身ではないのかと感じています。
ハイジのキャラクターを生み出す仕事
swissinfo.chの記事を活用させて頂きました。小田部羊一さんは、アルプスの少女ハイジのキャラクターの制作のお仕事をしておられました。
キャラクター制作の基本
・どんな物体、眺めでも、忠実にスケッチすること
・代用の材料：お土産品の木彫りの人形から創造して、地元の人間を造る
・主人公：ハイジの明るさ、元気良さを色で表現する
具 体 例
・ハイジが雲に乗っているシーン
・干し草のベットでシーツを掛けて、彼女の身体が宙に浮くシーン
・ハイジが初めてアルムの山に行く時、着ていた洋服を脱ぎ捨てて、駆け出すシーン
まとめ：展覧会で共感したこと確かめましょう！
